July 6th, 2008 by yumgsta
セックス・ドラッグ・バイオレンスの日常に生きる、西ロンドンのティーンエイジャーの姿を描いた映画「KiDULTHOOD(キダルトフッド)」。2005年に公開された当時は「バイオレンスな日常を美化している」と批判を受けたリアルでパワフルな作品だが、その続編「AdULTHOOD」が現在公開中。

今回も俳優のNoel Clarkeが自ら脚本、監督、主演を努め、前作に劣らず好評だ。前作から6年後の設定となっていて、ノエル演じるサムが、前作で犯した罪のための刑期を終えて刑務所から出てきたところから話は始まる。サムを中心に年齢的には「アダルト」となったキャラクター達のその後を追い、相変わらずバイオレンスとギャングの掟がはびこるストリートの様子が描かれている。自身も西ロンドンでシングル・マザーの貧しい家庭のもと育ったノエルとあって、ストリートのリアリティには説得力があり、それが日常でない大人たちにとっては、怖いものみたさで映画館に足を運んでいる、ともいえるのだろうか。
私も久々に映画館に行ったけれど、わいわいうるさいティーンエイジャー達やまじめな社会人カップルなど、オーディエンスは様々。かなり売れっ子になってきたAdam Deaconのトレードマークな切れっぷりなど、十分に楽しめる作品だったが、現在本当に深刻な社会問題となっているティーンエイジャーの銃・ナイフ犯罪を扱った作品としては、問題に対する解決提示やメッセージ性は少し弱いかなというのが正直な感想だ。
今週末立て続けにまた、別のブラック・ボーイが同じティーンエイジャーの手によって刺殺され、今年に入ってロンドンで銃・ナイフによって命を失ったティーンエイジャーは18人となった。・・18人?まだ今年の半分が過ぎたところで、この数字はどうなっているのだろう。そしてこれはロンドン市内だけの数であって、他の都市バーミンガムやマンチェスター、グラスゴーなどを含めると、その数はまさに恐ろしいものとなる。このリンクに被害者達の写真が(全てではないけれど)載っているが、彼らのカラーやバックグラウンドは様々だ。ギャングがらみだけではなく、ただ不運にも居た場所が悪く抗争に巻き込まれた、というケースも多い。本当に世の中どうなっているのだ。増える犯罪、高まる物価、目の見えない恐怖と不安とストレスの中暮らす人々。新しい市長ボリス・ジョンソンも、このナイフ犯罪を最優先事項として問題解決に力を注ぐと発表。「誰からも愛を受けずに育ったフディー(サグ)達にハグを」、などと言われても、文字通りそんな事しようとしたら彼らに財布盗まれるのがオチだろう。自らが産み落とした子供達を恐れるばかりで、何もできていない私達。生き延びるためには、学校で習う事だけでなく、ストリートのスマートさも必要とされる現在のロンドンだ。
まぁ、深くは考えずに、話が展開する西ロンドンのLadbroke GroveやLatimer Roadなどの、ロンドンっ子にはお馴染みの風景を大画面で見るだけでも楽しめる作品だ。サウンドトラックは以前紹介した「ブラック・ボーイズ」のBashy(バッシー)が監修し、私のお気に入りSway、PlanB、Chipmunk(猿みたいですげーかわいい16歳のMC)などの、若いリアルなUKタレントが多用されている。映画「ノッティングヒルの恋人」の舞台であるポッシュなノッティング・ヒルのすぐ隣の駅で展開される、ダーク・サイドのロンドン。日本では公開未定みたいだけど、見れる人は見てくださいね。
AdULTHOODオフィシャルサイト
AdULTHOODマイスペース
BASHY - Kidulthood to Adulthood
アダルトフッドのキャスト達@Swayのミュージック・ビデオ撮影にて
Posted in Album, Art, Brits, Films, Music, adulthood | No Comments »
June 30th, 2008 by yumgsta
世界最大の伝統的な野外ミュージック・フェスティバルである、イギリスのサマセットにある牧場で行われるグラストンバリー・フェスティバル。
(日本ではフジロックの大将がこのフェスを日本で実現させるべく、フジロック・フェスティバルをはじめた事でも有名。)
超開放的な広大な自然の空間で、ジャンル多様な音楽をのんびりと楽しめる週末で、多くのイギリス人にとっては毎年夏の恒例行事となっている。
数ヶ月前にそのグラストンバリーでのメインヘッドライナーとしてJay-Zが発表された時、その反応は真っ二つに分かれた。
メインであるピラミッド・ステージでの土曜日のヘッドライナーというと、イギリスのギター・ロックバンドの演奏にのせて10万人のクラウドが大合唱、というのがグラスト定番なのだけれど、アメリカのヒップホップ・アーティストであるJay-Zがメインを飾るとなると、そりゃあイギリスの古きよきヒッピー・クラウドは黙っちゃいなかった。ヒップホップが日常に溶け込んでいる若い世代の音楽ファン達はそれを歓迎する中、「我々は伝統的なフェスティバルの「インディー」なスピリットを失っている」というフェスティバルに対する強烈なバッシングが起こった。
アメリカのヒップホップやR&Bはチャートでヒットするイギリスも、野外の音楽フェスティバルとなるとやはり観衆もアーティストも真っ白。
(雨で泥まみれになってのキャンプ、というのは基本的にブラックに魅力的なものではないという事実もあるだろうが)
以前にも50セントがイギリスのレディング・フェスティバルのメインステージを飾った際に、客から空き缶投げられたとかいう歴史もあります。
グラストンバリーの創始者(+牧場の主)であるマイケル・イーブスは、「若い世代を獲得するため、音楽の多様性を愛するフェスティバルにしたかった」とコメント。それでもグラストの定番ヘッドライナーであるオアシスのノエル・ギャラがーが「グラストは伝統的なイギリスのギターロック中心のフェスティバルだから、ヒップ・ホップは歓迎しない」と思いっきり批判。
他にも、10年ぶりにチケットが売り切れなかった事をジガのせいにしようとする批判的な報道など(ていうかこれはここ数年ずっとひどい天気で泥まみれのフェスティバルだったからだと思うんだけど)が、まだまだ真っ白なイギリス社会を浮き彫りにする中、遂に始まったジガのステージ。

・・・さすがジガ、ビーフ慣れしてるなんてもんじゃありません。新婚さんだからってなめちゃいけません。なんとステージに出るなり、ギターを抱えてオアシスの超ヒット曲「wonderwall」を歌いだしました。これはうけた!明らかにオアシスのノエルへのディス・バックであるこれに、大喜びで合唱する観衆。
その後、イギリスのギター・ロックやダンスミュージック、ヒット曲などを多く取り入れたステージで、かなり気合入の入ったステージでした。いや、かなりがんばってます。感動しました。批判的だったメディアも一転して「大成功!」と絶賛しているし、ヒップホップ嫌いなイギリス人の同僚まで興奮して「クール!」とテキストしてきた事からして、イギリス人の心は掴んだようだ。ジガ、よくやった。えらい。
Jay-Zのグラストンバリーでのフル・ステージがBBCのiPlayerで見れます。
クリックして見る>Jay-z@グラストンバリー・フェスティバル in BBC iPlayer
(1週間限定でフリーで、ビデオをダウンロードしたら1ヶ月見れるみたい。ジガのパフォーマンスは29分経過したとこくらいから。相変わらずTim Westwoodに鳥肌が立つ私です。)
暗闇の中、ライトで照らし出されるの10万人の観衆。いつ見ても鳥肌が立つ。私、グラストンバリー大好きなんです。
音楽で私達は色や言葉関係なくひとつになれるかな、とかいう、青春時代に夢見ていた夢を思い出した。
Posted in Brits, Jay-Z, Music, UK, Videos | No Comments »
May 18th, 2008 by yumgsta
おひさしぶりです!時間的にも気持ち的にもなかなかブログが更新できない状態です・・・またそのうち復活します・・・ので、これからもよろしく。
以前紹介した、UKブラックにシャウト・アウトしているバッシーの超名曲「ブラック・ボーイズ」のリミックス版のビデオが・・・しかも4つも!!!
しかもDVDがhmvで売ってるって!欲しい!これは買う!
(hmv行くのなんて何年ぶりだろう・・・)
なんか、個人的に泣けてきちゃいます。あまり存在の知られていないイギリスのブラック・ボーイズ。まだレイシズムが国民に根強い中、そのまま増加を続ける移民達と、そのイギリス生まれの子供達。道を歩いていても、英語ではなくほかの国の言語が聞こえるのがほとんど。コスモポリタンなどと言っては聞こえがいい、不安感が漂うだけの混沌としているロンドン。
先日もロンドンのど真ん中、オックスフォード・サーカスのマクドナルドで、22歳のブラック青年Steven Bigbyが買い物客で賑わう道の真ん中で刺殺された。4人のギャングらしき少年達が容疑者として捕まっていて、動機はギャングがらみだと言われている。でも死んだ彼がレイプの罪で仮釈放中という事も発覚して、またやはり、UKのブラック・ボーイズの印象には汚れがつく事件となった。
でもね、このビデオの中に出ているように、ポジティブなムーブメントを起こそうとしているブラック・ボーイズがいる事を忘れてはいけない。そう、ムーブメントは起こりかけている。
みなさま、つらい事があってもKeep ya head upでいきましょう。
Posted in Brits, Music, UK, Videos | No Comments »
November 18th, 2007 by yumgsta
UKのラジオ等でじわじわと人気を集めている曲。UKブラック・ボーイズに捧げた、UKブラック・ボーイズの為の、アンセム。とても良い曲。
Bashy - Black Boys
多くのUKアクトへのShout Outを含んでいます。信じられないかもしれないけど、こういう曲は今までUKのブラック・ミュージックシーンではなかったんです。Respect!
Bashyのマイスペースには他にも色々とビデオがありますが、まだ若いなーって感じ。この曲の路線で頑張ってほしいとこです。
Posted in Brits, Music, Videos | No Comments »
November 18th, 2007 by yumgsta
UKグライム発、アメリカでもじわじわと認知されているディジー・ラスカルさんのニュー・ビデオ。
Flex - Dizzee Rascal
ビデオはXファクターをピスってますね。サイモンのヅラかぶってるディジーがうける・・
あと、イギリスっ子ならわかるカメオ出演がちょこちょこと。(The Streets, マジシャンDynamo、あと名前わかんないけど子供番組のプレゼンターの人とか・・・)
アルバム「Maths And English」より。そういやこのアルバムからの曲の他のビデオも予算が有り気で、ブりんに仕上がっています。今まで投稿してなかったのでここで一気に。
Sirens - Dizzee Rascal
JFKの監督W.I.Zの作品。このビデオ好き。
Pussyole (Old Skool) - Dizzee Rascal
まぁ、曲的におもしろいかは別として。がんばれ。
Posted in Brits, Music, Videos | No Comments »